○野辺地町立小・中学校における医療的ケア実施要綱

令和六年八月二十八日

教育委員会訓令第六号

(趣旨)

第一条 この要綱は、野辺地町立学校設置条例(昭和四十一年野辺地町条例第十号)に規定する学校(以下「学校」という。)に在籍する児童生徒(以下「児童等」という。)の健康の維持・増進及び安全な学習環境を整備し、児童等の教育の充実を図るため、学校において実施する医療的ケアについて、必要な事項を定めるものとする。

(医療的ケアの対象者)

第二条 医療的ケアの対象者は、日常的に医療的ケアを必要とする児童等で、当該児童等の保護者(以下「保護者」という。)から医療的ケア実施の申請があり、野辺地町教育委員会(以下「教育委員会」という。)が実施を決定した者とする。

(医療的ケアの実施者)

第三条 医療的ケアの実施者は、看護師及び准看護師の資格を有する者(以下「看護師等」という。)とする。

2 前項の規定にかかわらず、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号。以下「法」という。)附則第二十七条の規定により登録特定行為事業者として登録された学校における医療的ケアの実施者は、看護師等及び認定特定行為業務従業者(法附則第十条に定める者をいう。)である教職員(以下「認定教職員」という。)とする。

(医療的ケアの実施内容)

第四条 学校において実施できる医療的ケアは、原則として次に掲げるもののうち、看護師等及び認定教職員が児童生徒等に対し医療的ケアを行うことについて、支障がないと主治医により認められ、かつ、主治医から指示を受けたものとする。

 看護師等が行う医行為

 口腔内の喀痰吸引

 鼻腔内の喀痰吸引

 気管カニューレ内部の喀痰吸引

 胃ろう又は腸ろうによる経管栄養

 経鼻経管栄養

 その他主治医の指示による医行為

 認定教職員が行う医行為。ただし、及びについては、咽頭の手前までを限度とする。

 口腔内の喀痰吸引

 鼻腔内の喀痰吸引

 胃ろうまたは腸ろうによる経管栄養

 経鼻経管栄養

2 認定教職員が実施する医行為は、始業から終業までの教育課程内における実施を基本とし、校外学習等学校外においては、看護師等の対応を原則とする。

(医療的ケア実施の申請)

第五条 医療的ケアの実施を希望する児童等の保護者は、学校における医療的ケア実施申請書(様式第一号)及び学校における医療的ケアに関する主治医意見書(様式第二号)を教育委員会に提出するものとする。

2 在籍校に変更があった場合においては、前項の規定を準用する。

(医療的ケア実施の決定)

第六条 教育委員会は、前条の書類が提出されたときは、野辺地町教育支援委員会(以下「教育支援委員会」という。)に諮問し、その答申を受けた上で、医療的ケア実施の可否を判断し、学校における医療的ケア実施決定通知書(様式第三号(一)(二))により保護者及び在籍校又は在籍予定校の校長に、通知するものとする。

(実施の期間)

第七条 前条の規定により医療的ケア実施の決定を受けた児童等(以下「医療ケア児童等」という。)に係る医療的ケア実施の期間は、当該決定を受けた日(以下「医療ケア決定日」という。)の属する年度の翌年度の初日から末日までとする。ただし、次の各号に掲げる場合にあっては、当該各号に定める期間とする。

 年度の途中に転入する場合においては、医療ケア決定日から当該転入日の属する年度の末日までとする。

 既に在学している場合で年度の途中から医療的ケアを実施する場合においては、医療ケア決定日から同日の属する年度の末日までとする。

(医療的ケア実施の同意)

第八条 第六条の規定により、学校における医療的ケア実施決定の通知を受けた保護者は、次に掲げる事項について承諾の上、同意書(様式第四号)を教育委員会に提出しなければならない。

 医療機関に対する診療報酬等(主治医指示書、看護師等に対する主治医の指導等に係る費用及び文書料等)並びに医療的ケア実施に必要な器具及び消耗品に係る費用を負担すること。

 医療的ケアに必要な器具等を清潔な状態に保ち、学校へ持参すること。

 毎登校時、医療ケア児童等の健康状態を連絡帳等で学校に知らせること。

 医療ケア児童等の状態により、医療的ケアの内容に変更があるときは、連絡帳等に記入し、学校及び看護師等に知らせること。また、必要に応じ変更の届出を行うこと。

 医療的ケアに係る必要書類の提出、主治医による学校における医療的ケア実施に関する個別研修への立ち合い及び看護師等が実施する医療的ケアへの一定期間の立ち合い等に協力すること。

 やむを得ない事情により看護師等が不在になるときは、学校の求めに応じて必要な協力をすること。

 学校で看護師等による医療的ケアを受けた後、次の医療的ケア実施までに医療ケア児童等に異状を認めた場合は、速やかに主治医の診察を受けるとともに学校へ知らせること。

(変更の届出等)

第九条 医療ケア児童等の保護者は、前条第四号後段の規定により、学校における医療的ケアの内容について変更の届出を行う場合は、学校における医療的ケア実施変更届(様式第五号)に必要書類を添えて、教育委員会に提出しなければならない。

2 教育委員会は、前項の規定による届出があったときは、その内容を審査し、変更を決定する場合には、学校における医療的ケア実施変更決定通知書(様式第六号(一)(二))により、保護者及び在籍校又は在籍予定校の校長に通知する。

3 医療ケア児童等の保護者は、氏名及び住所等に変更が生じた場合には、医療ケア児童等に係る変更届(様式第七号)により教育委員会に届け出なければならない。

(終了の届出等)

第十条 保護者は、学校における医療的ケア実施を終了するときは、学校における医療的ケア実施終了届(様式第八号)に必要書類を添えて、教育委員会へ届け出なければならない。ただし、在籍校を卒業する場合には、卒業と同時に学校における医療的ケア実施を終了とする。

2 教育委員会は、前項の規定による届出があったときは、その内容を審査し、終了を決定する場合には、学校における医療的ケア実施終了決定通知書(様式第九号(一)(二))により、保護者及び在籍校の校長に通知する。

(決定の取り消し等)

第十一条 教育委員会は、医療ケア児童等が次の各号のいずれかに該当するときは、決定(第六条及び第九条第二項の規定による決定をいう。以下同じ。)を取り消すことができる。この場合において、教育委員会は、学校における医療的ケア実施取消通知書(様式第十号)により、当該医療ケア児童等の保護者に通知する。

 偽りその他不正な手段により決定を受けたとき。

 この要綱の規定に従わなかったとき。

 その他教育長が必要と認めるとき。

(医療的ケアの実施の制限)

第十二条 看護師等は、次の各号のいずれかに該当するときは、医療的ケアの実施を中止し、保護者に連絡するものとする。

 医療ケア児童等の疾患が安定していないとき。

 医療ケア児童等が入院治療を要するとき。

 医療ケア児童等が体調不良であり、医療的ケアの実施に支障があるとき。

 医療ケア児童等が感染性の疾患を有しているとき。

 その他看護師等が正常な医療的ケアを行うのに支障があるとき。

(看護師等の配置)

第十三条 看護師等の配置は、次の各号により、教育委員会が行うものとする。

 看護師等の配置人数等は、医療的ケアの対象者の人数や状況に応じ、教育委員会が決定する。

 看護師等の配置に係る経費は、教育委員会が負担する。

 教育委員会は、医療的ケアの実施に係る看護師等を配置する場合には、看護師等配置決定通知書(様式第十一号)により、医療ケア児童等の在籍校又は在籍予定校の校長に通知する。

2 教育委員会は、看護師の変更等の学校における医療的ケアの実施体制に変更があった場合には、学校における医療的ケア実施決定通知書(様式第三号)又は看護師等配置決定通知書(様式第十一号)により保護者及び学校長へ通知する。

3 前項に規定する看護師等の配置について必要な事項は、別に定める。

(看護師等の業務)

第十四条 看護師等は、学校長の指揮監督のもと、次に掲げる業務を行う。

 医療ケア児童等に対する医療的ケアの遂行に必要な主治医の指示を受ける。

 学校における医療的ケア実施に関する個別マニュアル(様式第十二号)を作成する。

 主治医の指示を受けた医療ケア児童等に対して、校内及び校外における医療的ケアを行う。

 前号の業務に必要な健康観察等を行う。

 教職員への助言等を行う。

 必要に応じて第十九条に規定する会議等に出席する。

 その他教育長及び学校長が必要と認めた業務を行う。

(実施要項の作成)

第十五条 学校長は、次の各号に掲げる事項を定めた実施要項を作成しなければならない。

 対象者

 実施する内容、範囲、場所等

 実施者

 医療的ケア安全委員会

 安全管理及び衛生管理

 保護者との連携

 関係文書の管理及び保管

 関係機関との連携

 その他必要な事項

(個別マニュアルの作成)

第十六条 学校長は、医療ケア児童等ごとに、次の各号に掲げる事項を記載した個別マニュアル(様式第十二号)を作成しなければならない。個別マニュアルは、主治医指示書に基づき看護師等に作成させる。

 個別マニュアルの作成年月日及び看護師等の作成者氏名

 医療ケア児童等の氏名及び学年

 主治医等の氏名及び連絡先

 医療的ケアの実施項目、実施者、実施時間及び場所

 医療的ケアの実施に必要な物品及び器具

 実施手順(喀痰吸引についてはチューブの規格、吸引圧及び挿入長を、経管栄養については栄養剤、温度及び滴下速度を、それぞれ明記すること。)

 実施上の留意事項

 緊急時の対応

 その他必要な事項

(医療的ケアの実施体制)

第十七条 教育委員会は、学校における医療的ケア実施に関する指示書について(依頼)(様式第十三号)により、主治医に主治医指示書(様式第十四号)の作成を依頼する。

2 学校長は、次に掲げる事項を行う。

 学校における医療的ケアの実施にあたり、保護者立ち合いのもと、看護師等に手技等の確認を行うための研修を実施する。

 前条の規定により作成した個別マニュアルについて、保護者に説明し同意を得るとともに、主治医からの承認を得る。

 前号により承認を得た個別マニュアルについて、記載内容に変更があった場合には、再度保護者の同意及び主治医の承認を得る。

(医療的ケア運営協議会)

第十八条 教育委員会は、安全かつ適切に医療的ケアを実施し、各学校間の連携を図るために、医療的ケア運営協議会を置く。

(医療的ケア安全委員会)

第十九条 学校長は、医療的ケアを安全かつ組織的に実施するため、学校に医療的ケア安全委員会(以下「安全委員会」という。)を置く。

2 安全委員会は、学校長、教頭、学級担任、養護教諭、看護師等及び学校長が必要と認める者で組織する。

3 安全委員会の委員長は学校長とし、副委員長は教頭とする。

4 安全委員会は、次に掲げる事項を協議する。

 医療的ケアの実施及び内容に関すること。

 実施計画及び実施記録の確認に関すること。

 医療的ケアの実施に係る関係者の役割分担及び連携に関すること。

 ヒヤリ・ハット事例の蓄積及び分析に関すること。

 緊急時の対応に関すること。

 衛生管理及び備品管理に関すること。

 保護者との連携に関すること。

 前各号に掲げるもののほか、委員長が必要と認める医療的ケアに関すること。

(実施計画等の作成)

第二十条 学校長は、医療ケア児童等ごとに、次の各号に掲げる事項を記載した実施計画及び主治医等による指導助言の記録を含む実施記録を作成しなければならない。

 医療ケア児童等の氏名及び学年

 実施する内容及び範囲、実施する場所並びに実施する者

 主治医等の氏名及び連絡先

 実施計画等の作成年月日、記録の記載年月日及び記載事項の変更年月日

 月等別の実施計画

 月等別の実施記録(医療的ケア実施記録簿、経過記録等)

 主治医等の指導助言等

 保護者からの連絡事項等

 実施上の問題点及び改善策

 その他必要な事項

(報告)

第二十一条 学校長は、医療的ケア実施前に、学校における医療的ケア実施計画について(報告)(様式第十五号)に、前条で作成した実施計画を添えて、教育委員会に提出するものとする。当該実施計画の内容を変更した場合も、同様とする。

2 学校長は、毎月の医療的ケア実施状況について、学校における医療的ケア実施報告書(様式第十六号)に、実施記録を添えて、教育委員会に報告するものとする。

3 学校長は、当該年度の実施状況について、学校における医療的ケア実施報告書(様式第十七号)に、実施記録を添えて、主治医等に報告するものとする。

4 学校長は、医療的ケアの実施において、事故等が発生した場合には、事故等の発生について(報告)(様式第十八号)により、教育委員会に報告するものとする。

(緊急時の対応)

第二十二条 学校長は、医療的ケアの実施における医療安全を確保するため、次の各号に掲げる事項を記載した緊急時の対応マニュアルを作成しなければならない。

 連携する医療機関への連絡方法等

 緊急事態発生後の情報伝達方法等

 緊急時のための備品等の配置場所及び管理方法

 その他必要な事項

2 学校長は、前項に規定する緊急時の対応マニュアルの内容について、関係教職員全員に配布の上、内容を把握させるものとする。

3 学校長は、第一項に規定する緊急時の対応マニュアルについて、教育委員会及び関係機関とも共有する。

(文書の管理)

第二十三条 教育委員会は、対象者に関する文書について、医療的ケアが終了した年度の翌年度から五年間、適切に管理し、保管するものとする。

(その他)

第二十四条 この要綱に定めるもののほか、野辺地町立小・中学校における医療的ケア実施に係る必要な事項については、教育長が別に定める。

この要綱は、令和六年九月一日から施行する。

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野辺地町立小・中学校における医療的ケア実施要綱

令和6年8月28日 教育委員会訓令第6号

(令和6年9月1日施行)

体系情報
第7類 育/第3章 学校教育
沿革情報
令和6年8月28日 教育委員会訓令第6号