○野辺地町職員倫理条例

平成十三年三月二十一日

条例第一号

すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために全力をあげて職務に専念する義務を負い、地域住民の福祉の増進を図る使命を有している。

職員の公務員としての自覚を促し、公務に対する信頼の確保を図り、町行政の健全な発展に資するため、この条例を制定する。

第一章 総則

(目的)

第一条 この条例は、職員が職務を遂行するに当たって、常に自覚しなければならない職員倫理の確立及び保持に関し必要な事項を定めることにより、町民の不信を招くような行為を防止し、もって、公務に対する信頼の確保を図ることを目的とする。

(定義等)

第二条 この条例において「職員」とは、地方公務員法(昭和二十五年法律第二百六十一号)第三条第二項に規定する一般職に属する職員及び同条第三項に規定する特別職に属する職員(議会の議員を除く。以下「特別職職員」という。)をいう。

2 この条例において「任命権者」とは、地方公務員法第六条第一項に規定する任命権者をいう。

3 この条例において、「事業者等」とは、法人その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行なう場合における個人に限る。)をいう。

4 この条例の規定の適用については、事業者等の利益のためにする行為を行なう場合における役員、従業員、代理人その他の者は、前項の事業者等とみなす。

(職員倫理の高揚)

第三条 職員は、自らの行為が常に公務の信用に影響を及ぼすことを深く認識し、自らを厳しく律するとともに、町民から信頼される職員となるよう不断に公務員としての倫理の高揚に努めなければならない。

(全体の奉仕者であることの自覚)

第四条 すべて職員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者でないことを深く自覚し、町民の福祉の増進を目指して職務の遂行に努めなければならない。

(公務の民主的かつ能率的な運営の確保)

第五条 職員は、公務が民主的かつ能率的に運営されるよう職務の遂行に努めなければならない。

(法令の遵守と信用の保持)

第六条 職員は、法令を遵守し、公務員の職の信用を損なうことのないよう努めなければならない。

(服務上の義務の遵守)

第七条 職員は、関係法令に規定する服務上の義務を遵守しなければならない。

(管理監督者の責務)

第八条 管理監督の立場にある者は、その職責の重要性を自覚し、部下職員を適切に指導監督しなければならない。

(任命権者の責務)

第九条 任命権者は、職員倫理の確立に資するよう、研修の実施、職員の遵守すべき事項を定めることその他の必要な措置を講じなければならない。

(議会報告)

第十条 町長は、議会に、職員倫理の確立及び保持に関して講じた施策(第十二条第一項の職員倫理規則の制定又は改廃を含む。)について報告するものとする。

第二章 職員倫理保持のための原則及び職員倫理規則等

(職員倫理保持のため職員が遵守すべき原則)

第十一条 職員は、職務上知り得た情報について町民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等町民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行にあたらなければならない。

2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。

3 職員は、法律又は条例により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受けること等の町民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

(職員倫理規則等)

第十二条 町長は、前条に掲げる原則を踏まえ、職員(規則で定めるものを除く。以下同じ。)の倫理の保持を図るために必要な事項に関する規則(以下「職員倫理規則」という。)を定めるものとする。この場合において、職員倫理規則には、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与等の禁止及び制限等職員の職務に利害関係を有する者との接触その他町民の疑惑や不信を招くような行為の防止に関し職員の遵守すべき事項が含まれなければならない。

2 任命権者は、それぞれの職員の倫理に関する規程を定めることができる。

第三章 贈与等の報告等及び公開

(贈与等の報告)

第十三条 職員は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき又は事業者等と当該職員の職務の関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として、職員倫理規則で定める報酬の支払を受けたとき(当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が一件につき五千円を超える場合に限る。)は、一月から三月まで、四月から六月まで、七月から九月まで及び十月から十二月までの各区分による期間(以下「四半期」という。)ごとに、次に掲げる事項を記載した贈与等報告書を当該四半期の翌四半期の初日から十四日以内に、任命権者に提出しなければならない。

 当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額

 当該贈与等により利益を受け、又は当該報酬の支払を受けた年月日及びその基因となった事実

 当該贈与等をした事業者等又は当該報酬を支払った事業者等の名称及び住所

 前三号に掲げるもののほか、職員倫理規則で定める事項

(報告書の保存及び閲覧)

第十四条 前条の規定により提出された贈与等報告書は、これらを受理した任命権者において、これらを提出すべき期間の末日の翌日から起算して五年を経過する日まで保存しなければならない。

2 何人も、任命権者に対し、前項の規定により保存されている贈与等報告書(贈与等により受けた利益又は支払を受けた報酬の価額が一件につき二万円を超える部分に限る。)の閲覧を請求することができる。ただし、公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防、犯罪の捜査その他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがあるものとして、あらかじめ規則で定めた事項に係る部分については、この限りでない。

第四章 職員倫理を監督する職員

第十五条 職員倫理の保持を図るため、各執行機関及び議会に、職員倫理を監督する職員を置く。

2 前項の職員倫理を監督する職員は、職員に対する職員倫理の保持に係る指導及び助言その他の職員倫理の保持のために必要な措置を講ずるものとする。

第五章 雑則

(任命権者による懲戒処分の概要の公表)

第十六条 任命権者は、職員にこの条例又はこの条例に基づく規則若しくは規程に違反する行為があることを理由として懲戒処分を行なった場合において、職員倫理の保持を図るため特に必要があると認めるときは、当該懲戒処分の概要を公表することができる。

(規則への委任)

第十七条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

1 この条例は、平成十三年四月一日から施行する。

2 第十三条の規定は、この条例の施行の日以後に受けた贈与等又は支払を受けた報酬について適用する。

野辺地町職員倫理条例

平成13年3月21日 条例第1号

(平成13年3月21日施行)